1.レポートの目的
為替相場での通貨は、買われれば価値が上がり、売られれば価値が下がるシンプルな世界です。通貨を売買するのは投資家で、投資家は各国の経済状況をみて通貨を売り買いします。その投資家心理(ファンダメンタル)を読むのはFXトレーダとして重要なことです。
本レポートは通貨の値上がり、値下がりに関係する投資家心理を刺激しそうな各国の経済イベントを紹介するレポートです。
2.経済イベントとは?
経済イベントとは各国の経済状況(物価、金利、景気、貿易など)を数値化したもので各国の公的機関等が発表しています。
経済イベントからその国の経済の現状や過去からの変化を知ることができます。
本レポートでは日本(円)、EU(ユーロ)、アメリカ(USドル)に関係する経済イベントを取り上げています。
3.レポート内容
1)先週の重要イベント等
先週に大きな値動きを起こした原因や今後値動きしそうなニュースなどを紹介する項目です。
①VIX指数(恐怖指数)
VIX指数とは投資家が投資に対して恐怖を感じているかを1~100までの数字で表したものです。
平常時は10~20程度で投資家は投資に積極的(リスクオン)になり、30以上で警戒/危険域となり数値が高くなるほど危険度が増していきます。そうなると投資家は投資に消極的(リスクオフ) になります。
リスクオンになると円やドルを売って株や他の通貨が買うようになり円安/ドル安傾向になります。逆にリスクオフになると株や他の通貨を売って円、ドル、国債、金の安全資産が買われるようになって円高/ドル高傾向になります。
本レポートでVIX指数を掲載してる目的は、投資やるやらないの判断材料してもらうためやFXの予想に使ってもらうためです。
②その他
ここではトピックを特に決めてないんですが、値動きに関係しそうな時事ネタや分析ネタを書いています。最近取り扱っているネタは次の通りです。
★大きな値動きが発生した原因
「なぜ値動きがすごかったのか?」、「何が注目されて値動きをしてるのか?」をニュースと値動きが起きた時間を見比べながら私なりに分析したものを書いてます。
★コロナ対策ニュース
今の為替市場のトレンドは「コロナ経済復興」です。
各国のコロナ経済対策、ワクチン開発、流行防止策、2次流行のニュースを紹介してます。
例えば、、、
「EU、コロナ経済対策で○○兆円規模の追加予算を計上」みたいなニュースが出ると、投資家はその国の経済回復の期待が膨らみ、ユーロが値を上げるなんてことがありますし、時間が経って予算執行延期or規模縮小などのニュースが出ると投資家心理が悲観に変わり値を下げることがあります。
★中央銀行の定期会合や要人発言
投資家は日銀、FRB、ECBのような中央銀行の動向にとても過敏です。
定期会合の結果や、要人発言ひとつで値動きが激しくなりますし、スイスフランショックのような経済事件まで発展した例もあります。
定期会合以外でも要人が発言することがありますし、中央銀行内の人事や政策の方向性で相場がお祭り騒ぎになるので注意が必要です
2)1週間の経済イベント(日ごと)
①重要イベントと見方
<経済イベントの見方>
■STEP1:発表予定を把握する
まずは来週の発表予定を把握することからはじまります。経済イベントはたくさんあるのですが、最近特に重要だと思われるイベントをピックアップして解説してますので参考にしてください。
それ以外の経済イベントは投資家の関心が低いせいか小さい値動きで終わることが多いです。
■STEP2:予想、結果、前回を見比べる
・各発表には予想、結果、前回の3つの値があって、前回と予想を見比べて良くなりそうか悪くなりそうかの投資家心理の方向性がわかります。
・予想と結果を見比べて、予想より良い結果の場合は上げ材料、悪い結果の場合は下げ材料になります。
・予想と結果がどれくらい乖離してるのかを見ます。大きく乖離してる場合は大きな値動き、同じor小さい場合はほぼ無風状態になります。過去最高値、最低値を更新する場合はビックリするくらい値動きすることがあります。
※少し前までは予想、結果、前回の数値をサイトで更新してたんですが、最近はサボっててゴメンなさい。。
<重要イベント>
■四半期GDP(速報値・改定値)
各国は四半期ごとに国内総生産(GDP)の発表をしています。
速報値と改定値と2つあって特に重要なのは「速報値」です。
その国の成長が数値化されるので、数値がプラスになったら成長したと判断され、その国の通貨は買われ、悪くなったら売られます。
■ 製造業/サービス業購買担当者景気指数
通称「PMI」と言います。
製造業やサービス業の購買担当者を調査対象にした企業の景気を示す経済指標です。 製造業は製品の需要動向や取引先の動向などを見極めて仕入れを行うため、製造業PMIは今後の景気動向を占うものとされています。
数値が上がるほど好景気、下がるほど不景気とされ、50以上で景気良好、50を下回ると景気悪化とされます。
■ZEW景況感調査
欧州経済研究センター(ZEW)が発表する景況感調査で、今後6カ月の景気見通し(良くなるか、悪くなるか)について、アナリストや機関投資家、市場関係者など約350人を対象に行ったアンケートで算出した指標です。
数値が上がるほど好景気、下がるほど不景気とされ、50以上で景気良好、50を下回ると景気悪化とされます。
■ISM製造業景況指数
米供給管理協会(ISM)が製造業約350社の仕入れ担当役員にアンケートして算出される指標です。 数値が上がるほど好景気で、下がるほど不景気とされ、50以上で景気良好、50を下回ると景気悪化とされます。
■日銀金融政策決定会合
日本国内の中央銀行としての政策金利(中央銀行から民間銀行への貸付金利)をいくらにするかを決めたり、今後の中央銀行としての経済対策が議論されます。セットで日銀総裁の記者会見があります。
■欧州中央銀行(ECB)政策金利
日銀金融政策決定会合のEU版です。セットでECB総裁記者会見があります。
■米連邦公開市場委員会(FOMC)
アメリカ中央銀行(FRB)の定期会合の呼び名で、日銀金融政策決定会合のアメリカ版です。セットでFRB議長の記者会見があります。
■各国の休場の情報
祝日などで市場休場になることがあります。
為替取引は世界中で行われているので1つの国が祝日で休場になっても為替市場は動き続けます。休場になるとその国の投資家は取引しないので取引人口が減り、いつもと違う値動きをすることがあります。
特に注意なのは「アメリカの祝日」です。アメリカは為替取引規模が世界2位で、お国柄上、休みの日は取引を含んで仕事を全くしないので値動きに大きな影響を与える傾向にあります。
(全世界共通で休場になるのは土日と1月1日のみです)